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群馬県高崎市の和菓子店『微笑庵』(みしょうあん)。 「粘華微笑」(ねんげみしょう)~心から心に伝わる本物の和菓子で召し上がった方に至福の微笑みをお届けする事が当庵の願いです。
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2008年07月23日

こしあん作り


微笑庵のこしあん 師匠が「藤色」と呼ぶ薄紫色が特徴 塩は一切入れない


小豆を一晩水につける 真っ赤になった水は捨てて新しい水で炊き始める


製餡ではアクのことをシブと言う 渋切りの回数は季節によって倍以上違う


すっきりとアクが出なくなったら本煮 これも季節により時間が倍以上違う


小豆がすっかり柔らかくなったら裏ごし 小豆のゴのみを使う


麻袋で絞った生餡を白双糖の蜜に投入

修行から戻った直後、ラジオ高崎の「この人に10分」と言う番組から取材を受けた。
取材してくださったのは尊敬する経営者でもある根岸良司さん。
「微笑庵のこだわりはナニ?」
と聞かれて、私は
『餡です』
と答えました。
「餡なんてそんなに違うものなの?」
という素朴な疑問にアツク語ったような記憶があります。

群馬県は製餡・製菓の分業が進んでいます。
餡は製餡所から買うのが当たり前になっていました。

これは製餡所がクオリティーの高い餡を提供した、と言う側面があり、
一概に悪く言えないのですが、
「和菓子屋が餡を自分で炊かない・炊けない」
ということに、ものすごい違和感を感じて帰省したことを覚えています。

私の店も例に漏れず餡を買っている店でした。
私が修行からかえって一番初めに取り組んだことは、
「餡を極めることでお客様に感動を与えること」

とはいえ、小豆を裏ごしする機械がありませんから、
最初は大きなふるいを買って、手で裏ごしをしていました。

丸一日かけてたった1升の小豆をこしあんにする。
父はあきれるやら頭にくるやらで、カンカンでしたが、
私は頑としてこの製餡作業を止めませんでした。

ラジ高取材の根岸さんも、
「そこまでする価値があることなの?そんなに味が変わるの?」
「あんこにこだわっても、お客さんはわからないんじゃないの?」
と矢継ぎ早に核心を突く質問をしてくださいました。

『和菓子は餡が命です。私は餡に賭けています。』
と答えたような気がします。  
タグ :こしあん

2008年07月10日

餡(あん)こそ命! 餡に賭ける


艶やかに炊きあがった丹波大納言

私が和菓子の中で一番大切にしているもの。
それは餡(あん)。

どんなに優れた技術で作られた和菓子も、
どんなに素晴らしい設備で作られた和菓子も、
餡がダメならすべて台無しです。

おまんじゅうなどに包まれて、
普段はあまり目立たない餡。
この目立たぬ餡にこそ命を賭けろ!命を吹き込め!!
一番大切なのは「餡」だ!

このように指導してくれたのは他ならない師匠・佐々木勝先生。
本当に最高の師匠に弟子入りしてよかった。


師匠は和菓子の技術研究会で5年連続最優秀技能賞を獲得した伝説の名人。
師匠の腕と人柄に惚れ込んで、今でも全国から弟子が集まっている。

しかし名人のもとで修業したからと言って、名人技は伝承できない。
長嶋茂雄の指導を受けても長嶋になれないのと一緒だ。
息子でさえ、天才の技術を継承できなかったのだ。


それでは、私は師匠から何を学んだのか?

師匠の餡を伝承すること。
餡こそ命! 餡にすべてを賭けろ。

師匠の哲学を胸に刻むこと。
「菓子には作り手の人柄が宿る」
「菓子は作り手そのもの」
「美味しい和菓子でお役に立ちたいという謙虚な気持ちを忘れるな」

師匠が藤色とよぶ薄紫色の端麗なこし餡
極上の小豆、丹波大納言の粒あん

私は名人技は何一つありませんが、
美味しい餡ならだれにも負けないつもりです。